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森林の広がるドイツ・テューリンゲンの森 |
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森林は、地球にとってとても大切な財産です。一つに、木という資源を提供してくれます。さらに光合成において、大気から温室効果ガスである二酸化炭素を吸収してくれます。2005年から地球温暖化対策の取り組みを規定してきた京都議定書では、植林して森林の面積を増やすと、その分が二酸化炭素の排出を削減したとカウントされました。森林を自然のままに放置するのではなく、手入れをして森林を管理、整備し、森林が持続的に維持されれば、それも二酸化炭素を削減するソースとして認められました。
日本は京都議定書によって、二酸化炭素など温室効果ガスの平均排出量を2008年からの5年間に1990年比で6%削減することが義務付けられました。温室効果ガスの排出量は、増加します。しかし日本は、森林による二酸化炭素の吸収と発展途上国支援による排出量の削減で目標を達成したことになりました。
今後、石油や石炭、鉄などの資源が枯渇すると、木がそれに代わる貴重な資源になることが予想されます。高層ビルなどの構造物が鉄筋コンクリートや鉄骨ではなく、木造になることも十分考えられます。
森林の環境を守り、森林を資源の供給源として持続的に利用しなければなりません。林業者や製造業者、流通業者の利益や消費者の自分勝手な希望のために、森林が無計画に伐採されてはなりません。森林を持続的に利用できるように管理し、そうして伐採された木材だけで製品を造って流通させます。ぼくたち消費者にも、森林を守る責任があります。
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FSC認証ロゴマーク |
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1993年10月、カナダのトロントで森林管理協議会(FSC=Forest Stewardship Council)という国際組織が創立されました。FSCは、森林を環境的、経済的、社会的に管理して利用し、そうした森林に由来する製品を認証する国際機関です。FSCロゴマークのついた製品は、森林が環境上適切に管理されている、経済利益だけを追求していない、林業を行なう地元地域の利益も配慮されていることを証明します。現在、その本部がドイツのボンにあります。
認証の対象となるのは、森林で伐採された木材と家具などの木材製品、木材パルプを原料とする紙です。ドイツでは現在、本などの出版物の紙にはほとんどFSCロゴマークがついています。日本の出版界でも、そうしてもらいたいものです。
FSCは、グリーンピースやWWF(世界自然保護基金)などの環境団体のイニシアチブで設立されました。1992年6月にリオデジャネイロで行なわれた地球サミット(環境と開発に関する国際連合会議)で、国際社会は「持続可能な開発」をめざすことで合意しました。しかし環境団体は、そこで決められた内容では森林を十分に保全できないとして、独自に森林を守る仕組みをつくったのでした。
FSCロゴマークのついた商品を買うことで、ぼくたち消費者は自らの手で森林を守ることができます。
(2017年3月30日掲載)
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